2010年12月29日水曜日

『ライティング・マシーン―ウィリアム・S・バロウズ』(インスクリプト)刊行記念 旦敬介×小池桂一トークイベント

青山ブックセンター本店で、作家・翻訳家の旦敬介さんと漫画家の小池桂一さんのトークイベントが開催されます。
1月20日(木)19:00~、入場料800円。
受付は1月5日より、ABC本店もしくはABCのHPにて。

同時に、旦敬介さんの選書フェアも行う予定です。
ビートニクをフューチャーしたラインナップになる予定。乞うご期待!


〈インスクリプトブログ〉
http://inscriptinfo.blogspot.com/


〈ABCイベント紹介ページ〉
http://www.aoyamabc.co.jp/event/2010/638/

2010年12月2日木曜日

「しまぶっく」探訪記

9月23日(木)、地下鉄清澄白河駅に近い深川資料館通り商店街に“本の島”的な書店が開店しました。その名も「しまぶっく」。いわゆる新刊書店ではなく古書・新刊洋書・ 雑貨などを販売する古本屋さんです。店主は、青山ブックセンター(ABC)やジュンク堂書店などで数十年お勤めになった知る人ぞ知る書棚編集の達人・渡辺富士雄さんです。



渡辺さんはこれまで数々のフェアを企画されましたが、ABCで最後に手がけられたフェアが「群島」をテーマにしたものでした。今福龍太さんの『群島—世界論』(2008年、岩波書店)に感銘をうけ、本に取り上げられている数々の書物からさらに選書し、三列の書棚を埋め尽くしました。一冊の本を媒介に、これだけ大規模なフェアが企画され、実施されるのは異例のことです。










書棚を見てまず目がひかれるのが、本と本の間にある蝶の標本です。渡辺さんは「これは読者の方々へむけたナゾかけなんです」とおっしゃっていました。、ちょっとしたヒミツを書棚に仕掛け、読者と豊かなコミュニケーションをはかろうとするのが、渡辺流です。
このブックフェアは大きな反響を呼びました。そして、その後ABC本店で展開される「本の島」フェアへと広がっていきました。


そして渡辺さんが、ABC退職後ほぼ一年を経て開店したのが「しまぶっく」です。






「しまぶっく」開店の日、さっそくご挨拶がてらうかがいました。ぼくが訪れたのは、午後3時頃。まだ小雨が降りつづいています。気温もかなり低く、「しまぶっく」のある通りまでの道すがらも人が少ない。これはもしかしたら厳しい船出かな、などと心配しておりました。がしかし、そんな心配もなんのその。なんとお客さんはひっきりなしに訪れているではありませんか。書棚を見てもところどころ本が抜け、隙間ができています。これは売れたということか?!


「渡辺さん、いいお店じゃないですか。で、どうですか?」とお聞きしたところ、「けっこうスゴイです!」。書棚を見ながら、お客さんとの会話を聞いていると「いつオープンしたんですか?」「あ! ここ本屋になったんですね」「また来ますねー」「ありがとうございます!」などの声が響いています。子どもがキャッキャ、キャッキャ騒いでいる声も聞こえてきます。


「しまぶっく」の前は清澄白河駅から東京現代美術館に向かうときの通り道になっているのですが、お客さんの多くは地元の人のようです。ツイッターやブログではあえていっさい宣伝せず、あくまで地元密着で営業したい、とおっしゃっていた渡辺さん。
「やったじゃないですか! 渡辺さーん」。
その後二時間ほど書棚を散歩し、おいとまいたしました。






「本の島」と思いを同じくする「しまぶっく」に、今後も注目です。ひきつづき「しまぶっく」をレポートしていきます。刻一刻と変化しつづけ、無言で語りかける「しまぶっく」の書棚を見に、みなさんもぜひ一度お立ち寄りください。(五島)




古書 新刊洋書 雑貨「しまぶっく」

〒135-0022 東京都江東区三好2-13-2

TEL/FAX 03-6240-3262

営業時間 11:00~20:00定休日 月曜日

※地下鉄清澄白河駅のA3出口を出たらすぐに左に曲がり、清澄通りを少し進みます。深川資料館通り商店街に入り、まっすぐ東京都現代美術館に向かって3、4分進みます。すると右手に間口の広い「しまぶっく」が見えてきます。駅から5分ほどです。

2010年11月22日月曜日

『ベオグラード1999』の公開記念 gozo cine新作上映+パフォーマンス

11月27日(土)から渋谷のUPLINK Xでロードショーされる金子遊監督『ベオグラード1999』公開記念イベントとして、25日(木)に吉増剛造さんの「gozocine」上映+パフォーマンスが行われます!

http://www.uplink.co.jp/factory/log/003780.php


「gozo cine」から「Hierog(ozo)lyph」へ。

現代詩のトップランナーとしてのみならず、先鋭的な実験映像の作り手として4年以上 撮り続けている、吉増剛造「gozo cine」が転換点を迎えております。

古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」を詩人がどのように身体化して、自己の映像世界へ導入するのか?

土方巽の師匠筋にあたり、アントナン・アルトーの日本への紹介者である及川廣信の舞踏パフォーマンスを、吉増剛造が撮影した作品を中心に新しい映像世界を拓きます。

それと同時に、25日の三島由紀夫の40回目の命日に、詩人がブラジルから眺めた目で、これまでにない切り口で三島論を語り下ろします。


2010年11月4日木曜日

青山ブックセンター本店 「本の島」棚 終了のお知らせ

ABC本店で、2010年1月より形を変えながら継続してきたブックフェア「本の島」を、11月下旬で一旦終了することにしました。

終了、とはいっても、津田新吾編集本のコーナーは背表紙を見せるかたちで1冊ずつ、残します。
棚の見出しはもちろん「本の島」。

大きなフェアが終了しても、
書き手、作り手、売り手、読み手それぞれが「本の島」を形づくってゆくのならば、
それがなくなってしまうことはありません。

また、次の展開が見えてきたときに、書店からまた新たなお知らせが出来るはずです。

みなさま、どうもありがとうございました!!!
20日までは今までどおり展開しておりますので、ご来店お待ちしております。


ABC本店 寺島

2010年10月20日水曜日

サウダージ・ブックスの新刊:
飯沢耕太郎
『石都奇譚集 ストーンタウン・ストーリーズ 』

サウダージ・ブックスから新刊が出ました。
それにしてもカバーの色がとてもいいですね!
視覚だけでなく、味覚や嗅覚にも訴えてきそうなグリーンです。

HPの紹介から:
「今日のストーンタウンは読めない文字で書かれた手紙である」(本書より)。東アフリカ・タンザニア、インド洋に浮かぶ隆起珊瑚の島、ザンジバル。石造りの旧市街(ストーンタウン)の光と闇をさまよう旅人による〈魔術的トラヴェローグ〉——現代日本を代表する写真評論家の著者が、ザンジバル島への旅の日々を現実と幻想が交差するスタイルで描くショート・ストーリーズ。著者による写真も掲載。

書名 石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ

著者 飯沢耕太郎

造本 四六判変型/ソフトカバー/本文160頁

価格 1,600円+税80円

発行 サウダージ・ブックス/

http://saudade-books.blogspot.com/

発売 港の人

装幀 清水理江

2010年10月11日月曜日

青山ブックセンター本店 「本の島」棚 更新情報

皆様こんにちは、秋ですね。
「本の島」ブックフェア棚が、「ユダヤ」をテーマとした選書にガラリと変わりました。オースター、サリンジャー、パステルナーク、プロツキーなどユダヤ系の作家の小説から、ウディ・アレンやボブ・ディラン、バレンボイムなど映画、音楽関係の人々の著作など、もりだくさんです。
また、津田新吾編集本をお買い上げの方へは、レジにて先着で『本の島へ』のなかから数ページ差し上げています。なくなり次第終了です。
新しくなった本の群れを、見に来てください。

2010年10月8日金曜日

「和紙のひろがり」全国の和紙展示会

10月15日より2週間、全国手すき和紙連合会が主催する東京で初めての全国の和紙展示会が開催されます。

日本列島の北から南までそれぞれの土地の水と風を漉き込んだ個性豊かな和紙の集まるめったにない機会です。

冊子『本の島へ』でも使われた和紙の奥深い世界をぜひご堪能ください。


◆全国の和紙展示会「和紙のひろがり」

展示期間:  2010年10月15日(金)~10月27日(水)

時間   :  午前10時~午後7時(最終日は午後5時まで)

会場   :  全国伝統的工芸品センター 展示室2F (池袋駅直結)

      東京都豊島区池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル

くわしくは展示会ウェブサイトをご覧ください。

※入場無料

※本展示会オリジナルデザイン照明参加予定者(敬称略)

池上遼一(漫画家)、松本大洋(漫画家)、ウィスット・ポンニミット(漫画家)、junaida(画家)、祖田雅弘(イラストレーター)、Keyco&Mayca(シンガー/アーティスト)、若木信吾(写真家・映画監督)など計28名。


2010年9月19日日曜日

青山ブックセンター本店 管啓次郎×港千尋 トークイベント

イベント開催のお知らせです。

『Agend'Ars』刊行記念 管啓次郎×港千尋トークイベント
    詩と写真について話してみようか


日時:2010年9月27日(月)19:00~(開場18:45~)
会場:青山ブックセンター本店内・Aスペース
定員:45名様
入場料:税込 500円

一枚の写真には世界があり、一篇の詩にも世界がある。言葉を超えた経験に、どう迫るか。自作の解説を含めて、詩人と写真家が語り合います。


詳しくはABCのサイトで。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201009/agendars927.html

2010年9月13日月曜日

今福龍太さん トークイベントとブックフェアのご案内

今月の18日16:00から紀伊國屋書店新宿本店で今福龍太さんのトークイベントが開催されます。

 ◎砂漠から書物の未来へーーじんぶんや64講 (今福龍太選「砂漠と書物」開催記念) http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/event.htm#shinjukuhonten_6


と同時にいま今福さん選書のブックフェアもおこなわれています。この選書が、またいいんです!

 ◎じんぶんや64講 今福龍太選「砂漠と書物」のエッセイと書物リスト  http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/prpjn64.html

ちなみに月曜社・小林さんの「ウラゲツ☆ブログ」でも紹介されています。
 ◎http://urag.exblog.jp/11255376/

都合のよろしい方は、トークイベントにぜひご参加ください。

2010年9月10日金曜日

オリオン書房ノルテ店にて、パスカル・キニャールフェア



立川はオリオン書房ノルテ店文芸書コーナーにて、今、パスカル・キニャールのフェアを開催中です。

津田新吾さんの編集したキニャールの著作で、現在入手可能な7点(在庫僅少本アリ)『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』『ローマのテラス』『アルブキウス』『辺境の館』『さまよえる影』『舌の先まで出かかった名前』『アマリアの別荘』が、それぞれ手書きのPOP付きで並んでいます。

ぜひ、行ってみてください。

2010年8月3日火曜日

冊子『本の島へ』

遅ればせながら、冊子『本の島へ』の造本を担当させていただいたBEKA(*)より、冊子の紹介をさせていただきます。

冊子『本の島へ』は青山ブックセンター本店で2010516日、619日にひらかれた「〈本の島〉をめぐる対話」に向けて制作され、その来場者に配布されました(現在、同店ブックフェア「本の島」コーナーに展示中)。

著者や編集者、装丁家、書店員など、普段はそれぞれ異なった立場で書物に関わる面々が、津田新吾さんの編集した本の中から「わたしの(と)三冊」を挙げています。そうして集まった文章は、書物自体が潜在的に育んできた連なりをあらためて強く感じさせるとともに、ブックフェア「本の島」を航海する際の最良の案内役にもなっています。

■造本にあたって

「ひとつひとつの島は、一冊一冊の本。それぞれの本が個性を失わずに、しかしゆるやかに開かれたかたちで繋がっている、そんな出版活動――」(『本の島へ』より)その「出立」のしるしとしてふさわしい造本を心がけました。全身を輝かせ颯爽と歩く、奄美群島で出会った津田さんを思い出すにつけこの冊子はどうも四角形ではないというように思え、では三角は?と試したら、開いたときにちょうどヨットの帆のような形になることを発見。これは「本の島」へ向かうための乗り物としてもふさわしい、ということで最終的に大小の三角形のページを連ねるようなかたちにたどり着きました。「本」になる少し手前の、1ページ1ページが島であるような野生の書物です。

まず津田さんが世界に捧げた書物の島々=宇宙があり、その島々にさまざまな人が集い、想いを寄せ、冊子『本の島へ』が生まれました。この小さな舟の上であらたに出逢った想い、希いが、風にのり、連なり、しずかにひろがっていったなら、二艘の小舟も幸いです。

*BEKA(ベカ):創作集団。書物でありオブジェでもあるような遊動的書物を製作。主な作品に『奄美自由大学巡礼冊子』、『ル・クレジオ群島周遊冊子/付録・声の羽』、『スイス、ブラジル1924―ブレーズ・サンドラール、詩と友情/付録・旅の葉』など。http://beka.jp

2010年7月25日日曜日

青山ブックセンター本店で3つのイベント

青山ブックセンター本店「本の島」棚に並んでいる本たちの著者を招いてのトークイベントが3つあります。
「本の島」の活動とは直接関係があるわけではありませんが、ご紹介まで。

ひとつめは畠山直哉さんと港千尋さんの対談。
「本の島」棚には『LIME WORKS』や『瞬間の山』が並んでいます。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201008/81.html

ふたつめは豊﨑由実さんと石川直樹さん。
棚には石川さんの『ARCHIPELAGO』が並んでいます。
「本の島」棚ではありませんが、豊﨑さんが編集されている『書評王の島』も、ABC本店では扱っています。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200908/830.html

みっつめは池澤夏樹さん「鳥か、天使か、飛行機か」
棚には『静かな大地』『熊になった少年』「coyote」など数点並んでいます。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201008/abc2010.html

ぜひご参加ください。

2010年7月11日日曜日

〔吉増剛造公開工房〕 津田新吾に捧ぐ Special appearance Prof. Ryuta Imafuku

吉増剛造作品集『盲いた黄金の庭』(岩波書店)の刊行に合わせ、銀座BLD GALLERY にて開催されている写真展 「盲いた黄金の庭」。
http://bld-gallery.jp/exhibition/100618yoshimasugozo.html

ここで、以下のイベントが行われます。 ぜひどうぞ。
また、追悼文集『オマージュ 津田新吾』は、青山ブックセンター本店ブックフェア「本の島」棚にて展示しています。


〔吉増剛造公開工房〕
津田新吾に捧ぐ Special appearance Prof. Ryuta Imafuku

出演 : 鈴木英果、中島浩、吉増剛造
日時 : 7月18日(日)15時頃より

『オマージュ 津田新吾』制作者の鈴木英果氏、吉増作品集を数多く手がけるデザイナーの中島浩氏と共に、ギャラリー内で作品制作を行います。スペシャル・ゲストに文化人類学者の今福龍太氏をお迎えします。

2010年7月9日金曜日

冊子『本の島へ』をご紹介いただきました

トークイベント「〈本の島〉をめぐる対話vol.1,2」の来場者へ配布した冊子『本の島へ』、『本の島へ vol.2』。
「津田新吾の編集本から3冊選んでください」というアンケートを多くの方へ投げかけ、寄せられたご回答を、2冊に分けて製本しました。
寄稿された方々への発送作業が終わり、ここ数日でいくつか感想もいただいてます(イベントに参加された方のご感想も募集中です。右のメールアドレスまでどうぞ!) 。


月曜社の「ウラゲツブログ」では、この冊子のかたち・内容をわかりやすく紹介してくださっています。 ぜひお読みください。
http://urag.exblog.jp/10921198/

翻訳家・高橋啓さんのブログでは、冊子への回答の代わりともいえる、熱のこもった文章が。
http://web.me.com/k.t.trans/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E5%95%93%E3%81%AE%E5%8D%81%E5%8B%9D%E6%97%A5%E8%AA%8C/Blog/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC/2010/7/6_%E3%80%8C%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%B3%B6%E3%81%B8%E3%80%8D.html


月曜社の小林さん、高橋啓さん、ありがとうございます。

2010年7月5日月曜日

青山ブックセンター本店ブックフェア「本の島」の成り立ちから、現在まで/棚担当者が話す

こんにちは。青山ブックセンター本店のt島です。きょうは、「本の島」フェアをはじめたきっかけなどお話いたします。


昨年秋のことです。同店で働く先輩から、「津田新吾さんという編集者が夏に亡くなられて、〈絵葉書を送る会〉(管啓次郎さん・野崎歓さん・堀江敏幸さんが企画)という集まりがあったんですよ。ABCではイベントなどですごくお世話になってきた人で……」という話を聞きました。

それまで、わたしは津田さんのことはまったく知りませんでしたが、家に帰って青土社の本のあとがきを確認すると、すべて津田さんの編集でした。

はじめて買ったのはジョルジュ・ペレックの『エリス島物語』で、書店で装丁にひと目惚れした記憶が鮮明にあります。他の本もすべてジャケ買いしたものでした。そのとき、津田さんの本を集めて棚をつくったらすごい風景になるんじゃないかと思いついたのです。

早速、今福龍太さんと吉増剛造さんのイベントが決まっていることを理由にして、「オマージュ 津田新吾」フェアの企画を立てました。

しかしこの企画がムクムクと大きくなっていくのはその後です。

津田さんが「本の島」という構想を持っていたと知ったときは、驚きました。六本木店でずっと人文書を担当していた先輩が、「群島 - 世界論」をテーマにした棚に「本の島」というタイトルをつけていたのです。

先輩は、津田さんのことを知らなかった。すごい偶然だと思いました。

「じゃ、先輩のブックリストで、「群島」フェア、津田さん棚の横でやっちゃおう」と考えました。「量が多くなって発注も入れ替えも大変だなあ……」と思いつつ、「こういう偶然がやってきたってことは、きっといい棚になるってことだぞ」という、ふしぎな確信が徐々に強まっていきました。

また、時期を同じくして、水声社の営業さんが新刊の案内にやってきました。ジョルジュ・ペレックの『煙滅』。津田さんは、ペレックの著作をふたつ編集しています。前々から(ペレックの在籍した)言語遊戯集団「ウリポ」のフェア棚をつくりたいと考えていた私は、それらのフェアを並べて大きく展開しようと思いつきました。

おまけに、刊行されたばかりの2冊『本は読めないものだから心配するな』、『エクスタシーの湖』(スティーヴ・エリクソン著)が好評だから、著者の管啓次郎さん、訳者の越川芳明さんも呼んでトークイベントをやってしまおう。本も置こう。

そんなたくさんのめぐり合わせで、20101月中旬より、


5本の棚で4つの文芸書フェア

1. 「ウリポの言語遊戯」

2. 「オマージュ 津田新吾」

3. 「管啓次郎さん、越川芳明さんの棚」

4. 「群島―世界論 本の島」


という大きな棚をつくりました。

「オマージュ 津田新吾」という追悼文集をスキャンして棚で読めるようにし、4つのフェアがつながるように、それぞれの本がなるべく有機的に並ぶよう、下手ながら工夫しました。

(当時の棚紹介ページはこちら)

http://www.aoyamabc.co.jp/12/12_201001/541_2_3_4.html


この棚に、思いのほかたくさんの方が来てくださいました。勝手に写真を撮って(店内は撮影禁止です!笑)ネット上にUPしてくださった方もいます。棚へのお問い合わせもちびちび受けるようになって……。

やがて、〈「本の島」実行委員会〉なるものが生まれ、もろもろの活動が始まりました。

この棚をつくってよかったのは、津田さんの編集した本だけでなく、ほかの本もたくさん置けたことです。

津田さんの手を離れて世に出た本たちが、本そのものの放つオーラで、べつの本を吸い寄せてゆく。

それを形にして、売り場をつくることができる。

書店として実行できる「本の島」のひとつのかたちが、徐々に見えてきました。

棚スケジュールの都合で一旦畳んだこのフェアが、その名もズバリ「本の島――オマージュ 津田新吾」フェアとしてかたちを変えて蘇ったのが、「〈本の島〉をめぐる対話 トークイベント」を控えた5月上旬のことです。「群島 - 世界論」を軸にして、選書を大幅にアレンジしました。

口コミが広がったのか、たくさんの方に来ていただくようになり、(どなたでも自由に書き込める)ノートを設置、おみやげとしてブックリスト「津田新吾さんのつくった本たち」配布も始めました。

2回のトークイベントを経て、このフェア棚から「オマージュ 津田新吾」の看板をはずしました。ファイル「本の島 案内」も設置。

津田さんの仕事を振り返る時期がひと段落して、これからは「本の島」が未来にむかって帆をひろげます。


送り手と読み手をつなぐ場所「本の島」ブックフェアを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2010年6月21日月曜日

寄せられたご感想(6月19日トークショー会場にて)

ABC本店の寺島さんの機転で、当日の会場では通常のイベントアンケートのほかに、「『本の島』へのアンケート」という解答用紙も配布され、5通のご回答をいただきました。
原文のままで転載させていただきます。


何気なく手に取り読んでいた本が、
ここまで全力で向きあって創っておられたのかと
はじめて気づきました。
 これからも読者として、本にかかわっていきたいし、本の島の「石ころ」にでもなれたらと切に思います。  ありがとうございました

*

本日はとても素晴らしいトークイベント、どうもありがとうございました。
前回のvol.1にも参加し、新たな文学作品を出会うことが
できる喜びでいっぱいです。
またぜひこんな会を開催していただきたいです!

*

本日は非常に興味深く聴かせていただけました。ありがとうございました。
堀江さんが強調されていらした「つながり」「島の生成」という
言葉にとても感銘を受けました。メディアをつくることは、
つながりをつくることだと。
津田さんが育てられた「島」。その島を群島として
有キ的につなげていく。この思考のモデルをこれからの
仕事にいかしていきたいと考えました。

*

1回目、2回目を通して聴いていてうなされ
っぱなしでした!
やはり魂の込もった本を作らないとと思いました。
自分の仕事との距離も感じました。「それぞれ」を
荷負うというか、自分の仕事ももっとしないとと思いました。

電子書籍の話も出ましたが、何かが込もった本、
というのは紙でないとできないかなと思っています。
ABCさん、今回のイベントとてもよかったです。
またお願いします。

*

敬語についての質問に対する堀江さんの切りかえしが
みごとだった。
これぞ知性…と大変勉強になりました。


それぞれ感じるところのあるコメントです。
ほんとうにありがとうございました。

わたしがとくに共感を覚えたのは、「自分の仕事との距離も感じました」というお答えです。
このプロジェクトに携わりながら、ひとりの編集者として感じずにはいられないのがまさにその距離だからです。
わたしの場合はもともとの素養も努力も足りないのですが、同じように距離を感じる方も少なくないのではないかと思います。
本をめぐる状況の厳しさが、そこにはあるように感じています。

「かつては(今よりは)自由に本を作れた、でも今はそうではない」という世代と、「もともと自由に作ったことなどない」という世代のあいだで、ひょっとしたら手渡されなかったものがあるのかもしれない、ときどきそんなことも思います。
もちろん、強い信念と努力でもってすばらしい仕事をされている若い編集者はたくさんいますので、安易に「状況」などと語ることは慎むべきなのですが、いまある現実から遊離することなく、その先に「本の島」の未来を描きたいとは思っています。

すこし個人的な語りになってしまいましたが、いただいたご回答をしっかりと受け止めつつ、これからの展開を考えていきます。
これからもご意見ご感想をお待ちしております!

「〈本の島〉をめぐる対話vol.2」開催しました!


6月19日(土)の13時から、「〈本の島〉をめぐる対話vol.2」堀江敏幸さん×前田英樹さん×冨原眞弓さんトクーショーを開催いたしました。
幸いして雨もふらず、前回を上回る多くのお客様にお越しいただきました。

第1弾とあわせて6人の著者の方々にご登場いただきましたが、ひとりの編集者の像が6通りに浮かび上がってくるさまはスリリングでさえありました。
同時に、それでもやっぱり津田新吾なのだな、と思わせる一貫性にも思いを巡らせました。

自ら進行役を買ってでてくださった堀江さんの誠実な話の進め方、冨原さんの痛いくらいに伝わってくる真摯な思い、それらをいくぶん脱臼させながら(?)おおらかに受け止め、時折鋭い視線を過去と未来に投げかける前田さん。
この3人が集まって語り合うことそれ自体がひとつの幸福な事件であり、その場をひとりの人間が用意していたことに打たれます。

とはいえ、打たれてばかりもいられません。
次回以降は、もう少し未来へと歩み出さなければならないだろうと思います。
スケジュールなどはまだ決まっておりませんが、ブログやツイッターも使ってできるだけ生成過程も開いていければと考えています。

皆様からのご意見もいただけましたら、社交辞令などではなく嬉しく思います。
あまりコンセプトの固まっていない「本の島」ですが、ほとんど唯一の方針といえるのが「聞くこと」なのです。

ご来場いただいた方、ご用事があって来られなかった方、いろいろなかたちで「本の島」のことを広めてくださっている方、みなさんにお礼を申し上げます。

2010年6月18日金曜日

明日もまた、「本の島」をめぐる対話


明日19日(土)の13時より、表参道の青山ブックセンター本店で、「本の島」をめぐる対話 vol.2が開催されます。当日参加もOKのようです!

出演は、作家・フランス文学者の堀江敏幸さん、現代思想・言語論をベースに映画・文学・身体など多彩な領域で思索を行う前田英樹さん、シモーヌ・ヴェイユの研究者にしてトーベ・ヤンソンの翻訳者である冨原眞弓さん。いずれも、編集者の故・津田新吾さんと本作りの仕事を一緒にされ、深く知的な交流をつづけてきた方々。

管啓次郎さん(詩人・比較文学者)、鄭暎惠さん(社会学)、野崎歓さん(エッセイスト・翻訳家)の登場したvol.1に引き続き、今回も「超豪華メンバー」が一堂に会します。このめったにない機会を、ぜひお見逃しなく! ご予約、お問合せはこちら

対話 vol.1では、出演者のみならず、フロアからの反応や会場の雰囲気にとても熱いものがありました。文芸評論家・フランス文学者で、サッカー批評でも知られる陣野俊史さんほか、編集者、書店員、大学の先生などなど、本に関心のあるいろいろな立場の方々からの応答があり、客席どうしであらたな「対話」がはじまったりして、大きな笑いにつつまれる一幕も。会場には、文筆家の大竹昭子さん、作家の姜信子さんの姿もあり、心あたたまるコメントをいただきました。

青山ブックセンター本店では、関連するブックフェア本の島 オマージュ——津田新吾」が開催中です。これまで人文書や文芸書のブックフェアというと、著者や訳者の名前が大きく取り上げられることが多かったと思います。

けれども今回は、「本の島」というブックレーベルを構想したひとりの「編集者」の仕事とヴィジョンを通じて書店に棚を作り、そのことによって、どのような魅力的な本の世界がみえてくるのかを問うこころみになっています。青山ブックセンターの文芸書担当で当フェアの仕掛人、寺島さんによるブックセレクトの妙をお楽しみ下さい。棚の内容はすこしずつ変わっていますから、何度でも!

口コミ、ブログ、twitterなどを通じて、「本の島」というプロジェクトの波紋がゆっくりゆっくり広がっているようです。これだけ多くのみなさんに関心をもっていただけるのは、津田新吾さんが「越境者」だったからではないでしょうか? 出版文化のなかでの既存の役割や境界を、意志をもって軽々と越える旅人。そんな気がします。

2010年6月14日月曜日

twitter をはじめました

「本の島」、twitter をはじめました。

http://twitter.com/honnoshima

当サイトのサイドバーにある、twitter 公式バナーからも、どうぞ。
読み物や分量が長めの情報はブログに、速報的なお知らせや短信は twitter に随時掲載します。
目印は、ジュゴン。よろしくお願いいたします!

2010年6月5日土曜日

本の島をめぐる対話 vol.2 堀江敏幸×前田英樹×冨原眞弓トークイベント

予約受付中!

2010619日(土)13:00~(開場1230~)

青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山

定員:120名様


入場料:700(税込)

ご予約、お問合せはこちら

惜しくも昨年逝去した編集者・津田新吾により作り出された本の世界=本の島 について、ゆかりの深い著者たちが語り合うトークイベントの第二弾です。かつて存在した「島々」を巡る言葉と言葉のあわいから、未来へと開かれたあたらしい「島々」の像がぼんやりと浮かび上がる、そんなスリリングな現場にぜひお立ち会いください。


◉プロフィール

堀江敏幸 (ほりえ としゆき)
1964年岐阜県生まれ、作家、フランス文学者。早稲田大学教授。著書に『郊外へ』、『熊の敷石』、『回送電車』、『雪沼とその周辺』、『河岸忘日抄』、『未見坂』、『正弦曲線』など。訳書にエルヴェ・ギベール『赤い帽子の男』『幻のイマージュ』、ジャック・レダ『パリの廃墟』、ジェラール・フランカン『つきへでかけたおんなのこ』、フィリップ・ソレルス『神秘のモーツァルト』などがある。津田新吾の手がけた本は『おぱらばん』(三島由紀夫賞)、『魔法の石板 ジョルジュ・ペロスの方へ』の二冊。



前田英樹 (まえだ ひでき)
1951年大阪府生まれ。立教大学現代心理学部教授。フランス思想、言語論の精緻な読みを基礎として、映画、絵画、文学などから時間や記憶についての考察を続ける。著書に『沈黙するソシュール』、『小津安二郎の家 持続と浸透』、『在るものの魅惑』、『倫理という力』、『独学の精神』など。訳書にフェルディナン・ド・ソシュール『ソシュール講義録注解』、アンリ・ベルクソン『記憶と生』など。津田新吾の手がけた本は『映画=イマージュの秘蹟』、『セザンヌ 画家のメチエ』、『言葉と在るものの声』、甲野善紀との共著『剣の思想』の四冊。




冨原眞弓 (とみはら まゆみ)1954年兵庫県生まれ。聖心女子大学哲学科教授。専門はシモーヌ・ヴェイユなどフランス哲学・思想であるが、トーヴェ・ヤンソン作品のスウェーデン語からの翻訳や作品研究にも携わる。著書に『シモーヌ・ヴェイユ』、『ムーミンを読む』、『ムーミン谷のひみつ』など。訳書にシモーヌ・ヴェイユ『カイエ 3』、『カイエ 4』、『ヴェイユの言葉』(編訳)、『自由と社会的抑圧』、『根をもつこと』、カリン・ボイエ『カロカイン 国家と密告の自白剤』、『トーベ・ヤンソン・コレクション』全八巻、トーベ・ヤンソン『島暮らしの記録』など。津田新吾の手がけた本は『シモーヌ・ヴェイユ 力の寓話』、『トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界 ムーミントロールの誕生』の二冊。

2010年6月2日水曜日

「本の島」の書棚 編集者・津田新吾の仕事

文芸書・人文書の編集者・津田新吾さんがどのような本を世に送りだしたのか。現時点でわたしたちが把握しているタイトル一覧です。ここにある本の島々から、もっと広い世界へ! 

リストにある本の多くは、青山ブックセンター本店で開催中のブックフェア「本の島——オマージュ 津田新吾」のコーナーで実際にご覧いただけます。ぜひ、お店のほうに足をお運び下さい。

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*津田新吾さんが青土社で編集を手がけられた本

吉増剛造『花火の家の入口で』1995

吉増剛造『燃えあがる映画小屋』2001

管啓次郎『コヨーテ読書――翻訳・放浪・批評2003

堀江敏幸『おぱらばん』1998*第12回三島由紀夫賞受賞

堀江敏幸『魔法の石板――ジョルジュ・ペロスの方へ2003

野崎歓『ジャン・ルノワール 越境する映画』2001*第23回サントリー学芸賞受賞

野崎歓『香港映画の街角』2005

野崎歓『赤ちゃん教育』2005*第22回講談社エッセイ賞受賞

ジャン・ルノワール『ジョルジュ大尉の手帳』野崎歓訳1996

ジャン・ルノワール『イギリス人の犯罪』野崎歓訳1997

ジャン・ルノワール『ジャン・ルノワール エッセイ集成』野崎歓訳1999

前田英樹『映画=イマージュの秘蹟』(1996

前田英樹『セザンヌ 画家のメチエ』2000

甲野善紀・前田英樹『剣の思想』2001

前田英樹『言葉と在るものの声』2007

冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ 力の寓話』2000

冨原眞弓『トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界――ムーミントロールの誕生』2009

田中純『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』2001*第24回サントリー学芸賞受賞

田中純『死者たちの都市へ』2004

小池寿子『描かれた身体』2002

若桑みどり『聖母像の到来』2008

須賀敦子『時のかけらたち』1998

須賀敦子『イタリアの詩人たち』1998

多和田葉子『容疑者の夜行列車』2002*第14回伊藤整文学賞・第39回谷崎潤一郎賞受賞

多和田葉子『アメリカ――非道の大陸2006

アントニオ・タブッキ『夢のなかの夢』和田忠彦訳(1994

アントニオ・タブッキ『島とクジラと女をめぐる断片』須賀敦子訳(1995

アントニオ・タブッキ『ベアト・アンジェリコの翼あるもの』古賀弘人訳1996

アントニオ・タブッキ『フェルナンド・ペソア最後の三日間』和田忠彦訳1997

アントニオ・タブッキ『黒い天使』堤康徳訳1998

パスカル・キニャール『アルブキウス』高橋啓訳1995

パスカル・キニャール『音楽への憎しみ』高橋啓訳1997

パスカル・キニャール『舌の先まで出かかった名前』高橋啓訳1998

パスカル・キニャール『辺境の館』高橋啓訳1999

パスカル・キニャール『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』高橋啓訳2000

パスカル・キニャール『ローマのテラス』高橋啓訳2001

パスカル・キニャール『さまよえる影』高橋啓訳2003

フェデリーコ・フェッリーニ『魂のジュリエッタ』柱本元彦訳1994

G・カブレラ=インファンテ『煙に巻かれて』若島正訳2006

鹿島茂『子供より古書が大事と思いたい』1996*第12回講談社エッセイ賞受賞

鹿島茂『『パサージュ論』熟読玩味』1996

ロミ『乳房の神話学』高遠弘美訳(1997

マヌエル・プイグ『グレタ・ガルボの眼』堤康徳訳1999

谷昌親『詩人とボクサー――アルチュール・クラヴァン伝2002

永沢哲『野生の哲学――野口晴哉の生命宇宙2001

アルフォンソ・リンギス『信頼』岩本正恵訳2006

川村湊『海を渡った日本語――植民地の「国語」の時間』1994

アブデルケビール・ハティビ『マグレブ 複数文化のトポス――ハティビ評論集』澤田直編訳、福田育弘訳2004

ジョルジュ・ペレック『エリス島物語――移民たちの彷徨と希望』酒詰治男訳2000

ディディエ・デナンクス『カニバル(食人種)』高橋啓訳2003

マリオ・リゴーニ・ステルン『テンレの物語』飯田煕男訳1998

アレッサンドロ・G・ジェレヴィーニ『ファザーランド』2005

ウーク・チャング『キムチ』岩津航訳2007

マルタン・パージュ『僕はどうやってバカになったか』大野朗子訳2003

ドミニク・ノゲーズ『人生を完全にダメにするための11のレッスン』高遠弘美訳、青土社(2005

『入澤康夫〈詩〉集成』上・下(1996*第39回毎日芸術賞受賞

キース・ヴィンセント+風間孝+河口和也『ゲイ・スタディーズ』1997

タイモン・スクリーチ『江戸の思考空間』村山和裕訳(1998

上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』(1998

アルデン・T・ヴォーン+ヴァージニア・メーソン・ヴォーン『キャリバンの文化史』本橋哲也訳(1999

ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル――フェミニズムとアイデンティティの攪乱』竹村和子訳1999

ジュディス・バトラー『アンティゴネーの主張――問い直される親族関係』竹村和子訳2002

ピエール・クロソウスキー『生きた貨幣』兼子正勝訳(2000

浅田彰『20世紀文化の臨界』2000

多田智満子『動物の宇宙誌』(2000

丸川哲史『台湾、ポストコロニアルの身体』2000

丸川哲史『帝国の亡霊――日本文学の精神地図』2004

末延芳晴荷風とニューヨーク』青土社2002

陣野俊史『フットボール都市論――スタジアムの文化闘争』(2002

四方田犬彦『アジア映画の大衆的想像力』(2003

東ゆみこ『クソマルの神話学』2003

末延芳晴『夏目金之助 ロンドンに狂せり』2004

平野嘉彦『マゾッホという思想』2004

永渕康之『バリ・宗教・国家――ヒンドゥーの制度化をたどる』2007

デイヴィッド・ライアン『監視社会』河村一郎訳、青土社(2002

叢書*西洋中世綺譚集成

ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』池上俊一訳1997

クードレット『メリュジーヌ物語――母と開拓者としてのメリュジーヌ』松村剛訳1996

ギラルドゥス・カンブレンシス『アイルランド地誌』有光秀行訳1996

シリーズ現代思想ガイドブック

B・アシュクロフト + P・アルワリア『エドワード・サイード』大橋洋一訳2005

S・モートン『ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク』本橋哲也訳2005

S・サリー『ジュディス・バトラー』竹村和子他訳2005

T・マイヤーズ『スラヴォイ・ジジェク』村山敏勝他訳2005

J・プロクター『スチュアート・ホール』小笠原博毅訳2006

C・コールブロック『ジル・ドゥルーズ』國分功一郎訳2006

RJ・レイン『ジャン・ボードリヤール』塚原史訳2006

G・アレン『ロラン・バルト』原宏之訳2006

T・クラーク『マルティン・ハイデガー』高田珠樹訳2006

S・ミルズ『ミシェル・フーコー』酒井隆史訳2006

L・スピンクス『フリードリヒ・ニーチェ』大貫敦子・三島憲一訳2006

N・ロイル『ジャック・デリダ』田崎英明訳2006

*書肆風の薔薇/水声社で手がけられた本

福田孝『源氏物語のディスクール』(1990

クラウディオ・マグリス『オーストリア文学とハプスブルク神話』鈴木隆雄・藤井忠・村山雅人訳(1990

アレホ・カルペンティエル『光の世紀』杉浦勉訳(1990

フアン・ルルフォ『燃える平原』杉山晃訳(1990

ウェイン・C・ブース『フィクションの修辞学』米本弘一他訳(1991

ジェラール・ジュネット『ミモロジック――言語的模倣論またはクラテュロスのもとへの旅』花輪光監訳(1991

ジェラール・ジュネット『フィギュールⅠ』花輪光訳(1991

安原顯『カルチャー・スクラップ』(1992

ジョルジュ・ペレック『人生 使用法』酒詰治男訳(1992