2010年12月29日水曜日
『ライティング・マシーン―ウィリアム・S・バロウズ』(インスクリプト)刊行記念 旦敬介×小池桂一トークイベント
1月20日(木)19:00~、入場料800円。
受付は1月5日より、ABC本店もしくはABCのHPにて。
同時に、旦敬介さんの選書フェアも行う予定です。
ビートニクをフューチャーしたラインナップになる予定。乞うご期待!
〈インスクリプトブログ〉
http://inscriptinfo.blogspot.com/
〈ABCイベント紹介ページ〉
http://www.aoyamabc.co.jp/event/2010/638/
2010年12月2日木曜日
「しまぶっく」探訪記
渡辺さんはこれまで数々のフェアを企画されましたが、ABCで最後に手がけられたフェアが「群島」をテーマにしたものでした。今福龍太さんの『群島—世界論』(2008年、岩波書店)に感銘をうけ、本に取り上げられている数々の書物からさらに選書し、三列の書棚を埋め尽くしました。一冊の本を媒介に、これだけ大規模なフェアが企画され、実施されるのは異例のことです。
このブックフェアは大きな反響を呼びました。そして、その後ABC本店で展開される「本の島」フェアへと広がっていきました。
そして渡辺さんが、ABC退職後ほぼ一年を経て開店したのが「しまぶっく」です。
「渡辺さん、いいお店じゃないですか。で、どうですか?」とお聞きしたところ、「けっこうスゴイです!」。書棚を見ながら、お客さんとの会話を聞いていると「いつオープンしたんですか?」「あ! ここ本屋になったんですね」「また来ますねー」「ありがとうございます!」などの声が響いています。子どもがキャッキャ、キャッキャ騒いでいる声も聞こえてきます。
「しまぶっく」の前は清澄白河駅から東京現代美術館に向かうときの通り道になっているのですが、お客さんの多くは地元の人のようです。ツイッターやブログではあえていっさい宣伝せず、あくまで地元密着で営業したい、とおっしゃっていた渡辺さん。
「やったじゃないですか! 渡辺さーん」。
その後二時間ほど書棚を散歩し、おいとまいたしました。
※地下鉄清澄白河駅のA3出口を出たらすぐに左に曲がり、清澄通りを少し進みます。深川資料館通り商店街に入り、まっすぐ東京都現代美術館に向かって3、4分進みます。すると右手に間口の広い「しまぶっく」が見えてきます。駅から5分ほどです。
2010年11月22日月曜日
『ベオグラード1999』の公開記念 gozo cine新作上映+パフォーマンス
「gozo cine」から「Hierog(ozo)lyph」へ。
現代詩のトップランナーとしてのみならず、先鋭的な実験映像の作り手として4年以上 撮り続けている、吉増剛造「gozo cine」が転換点を迎えております。
古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」を詩人がどのように身体化して、自己の映像世界へ導入するのか?
土方巽の師匠筋にあたり、アントナン・アルトーの日本への紹介者である及川廣信の舞踏パフォーマンスを、吉増剛造が撮影した作品を中心に新しい映像世界を拓きます。
それと同時に、25日の三島由紀夫の40回目の命日に、詩人がブラジルから眺めた目で、これまでにない切り口で三島論を語り下ろします。
2010年11月4日木曜日
青山ブックセンター本店 「本の島」棚 終了のお知らせ
終了、とはいっても、津田新吾編集本のコーナーは背表紙を見せるかたちで1冊ずつ、残します。
棚の見出しはもちろん「本の島」。
大きなフェアが終了しても、
書き手、作り手、売り手、読み手それぞれが「本の島」を形づくってゆくのならば、
それがなくなってしまうことはありません。
また、次の展開が見えてきたときに、書店からまた新たなお知らせが出来るはずです。
みなさま、どうもありがとうございました!!!
20日までは今までどおり展開しておりますので、ご来店お待ちしております。
ABC本店 寺島
2010年10月20日水曜日
サウダージ・ブックスの新刊:
飯沢耕太郎
『石都奇譚集 ストーンタウン・ストーリーズ 』
書名 石都奇譚集(せきときたんしゅう) ストーンタウン・ストーリーズ
著者 飯沢耕太郎
造本 四六判変型/ソフトカバー/本文160頁
価格 1,600円+税80円
発行 サウダージ・ブックス/
http://saudade-books.blogspot.com/
発売 港の人
装幀 清水理江
2010年10月11日月曜日
青山ブックセンター本店 「本の島」棚 更新情報
2010年10月8日金曜日
「和紙のひろがり」全国の和紙展示会
10月15日より2週間、全国手すき和紙連合会が主催する東京で初めての全国の和紙展示会が開催されます。
日本列島の北から南までそれぞれの土地の水と風を漉き込んだ個性豊かな和紙の集まるめったにない機会です。
冊子『本の島へ』でも使われた和紙の奥深い世界をぜひご堪能ください。
◆全国の和紙展示会「和紙のひろがり」
展示期間: 2010年10月15日(金)~10月27日(水)
時間 : 午前10時~午後7時(最終日は午後5時まで)
会場 : 全国伝統的工芸品センター 展示室2F (池袋駅直結)
東京都豊島区池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル
くわしくは展示会ウェブサイトをご覧ください。
※入場無料
※本展示会オリジナルデザイン照明参加予定者(敬称略)
池上遼一(漫画家)、松本大洋(漫画家)、ウィスット・ポンニミット(漫画家)、junaida(画家)、祖田雅弘(イラストレーター)、Keyco&Mayca(シンガー/アーティスト)、若木信吾(写真家・映画監督)など計28名。
2010年9月19日日曜日
青山ブックセンター本店 管啓次郎×港千尋 トークイベント
『Agend'Ars』刊行記念 管啓次郎×港千尋トークイベント
詩と写真について話してみようか
日時:2010年9月27日(月)19:00~(開場18:45~)
会場:青山ブックセンター本店内・Aスペース
定員:45名様
入場料:税込 500円
一枚の写真には世界があり、一篇の詩にも世界がある。言葉を超えた経験に、どう迫るか。自作の解説を含めて、詩人と写真家が語り合います。
詳しくはABCのサイトで。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201009/agendars927.html
2010年9月13日月曜日
今福龍太さん トークイベントとブックフェアのご案内
◎砂漠から書物の未来へーーじんぶんや64講 (今福龍太選「砂漠と書物」開催記念) http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/event.htm#shinjukuhonten_6
と同時にいま今福さん選書のブックフェアもおこなわれています。この選書が、またいいんです!
◎じんぶんや64講 今福龍太選「砂漠と書物」のエッセイと書物リスト http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/prpjn64.html
ちなみに月曜社・小林さんの「ウラゲツ☆ブログ」でも紹介されています。
◎http://urag.exblog.jp/11255376/
都合のよろしい方は、トークイベントにぜひご参加ください。
2010年9月10日金曜日
オリオン書房ノルテ店にて、パスカル・キニャールフェア
2010年8月3日火曜日
冊子『本の島へ』
遅ればせながら、冊子『本の島へ』の造本を担当させていただいたBEKA(*)より、冊子の紹介をさせていただきます。
冊子『本の島へ』は青山ブックセンター本店で2010年5月16日、6月19日にひらかれた「〈本の島〉をめぐる対話」に向けて制作され、その来場者に配布されました(現在、同店ブックフェア「本の島」コーナーに展示中)。
著者や編集者、装丁家、書店員など、普段はそれぞれ異なった立場で書物に関わる面々が、津田新吾さんの編集した本の中から「わたしの(と)三冊」を挙げています。そうして集まった文章は、書物自体が潜在的に育んできた連なりをあらためて強く感じさせるとともに、ブックフェア「本の島」を航海する際の最良の案内役にもなっています。
■造本にあたって
「ひとつひとつの島は、一冊一冊の本。それぞれの本が個性を失わずに、しかしゆるやかに開かれたかたちで繋がっている、そんな出版活動――」(『本の島へ』より)その「出立」のしるしとしてふさわしい造本を心がけました。全身を輝かせ颯爽と歩く、奄美群島で出会った津田さんを思い出すにつけこの冊子はどうも四角形ではないというように思え、では三角は?と試したら、開いたときにちょうどヨットの帆のような形になることを発見。これは「本の島」へ向かうための乗り物としてもふさわしい、ということで最終的に大小の三角形のページを連ねるようなかたちにたどり着きました。「本」になる少し手前の、1ページ1ページが島であるような野生の書物です。
まず津田さんが世界に捧げた書物の島々=宇宙があり、その島々にさまざまな人が集い、想いを寄せ、冊子『本の島へ』が生まれました。この小さな舟の上であらたに出逢った想い、希いが、風にのり、連なり、しずかにひろがっていったなら、二艘の小舟も幸いです。
*BEKA(ベカ):創作集団。書物でありオブジェでもあるような遊動的書物を製作。主な作品に『奄美自由大学巡礼冊子』、『ル・クレジオ群島周遊冊子/付録・声の羽』、『スイス、ブラジル1924―ブレーズ・サンドラール、詩と友情/付録・旅の葉』など。http://beka.jp
2010年7月25日日曜日
青山ブックセンター本店で3つのイベント
「本の島」の活動とは直接関係があるわけではありませんが、ご紹介まで。
ひとつめは畠山直哉さんと港千尋さんの対談。
「本の島」棚には『LIME WORKS』や『瞬間の山』が並んでいます。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201008/81.html
ふたつめは豊﨑由実さんと石川直樹さん。
棚には石川さんの『ARCHIPELAGO』が並んでいます。
「本の島」棚ではありませんが、豊﨑さんが編集されている『書評王の島』も、ABC本店では扱っています。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200908/830.html
みっつめは池澤夏樹さん「鳥か、天使か、飛行機か」
棚には『静かな大地』『熊になった少年』「coyote」など数点並んでいます。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201008/abc2010.html
ぜひご参加ください。
2010年7月11日日曜日
〔吉増剛造公開工房〕 津田新吾に捧ぐ Special appearance Prof. Ryuta Imafuku
http://bld-gallery.jp/exhibition/100618yoshimasugozo.html
ここで、以下のイベントが行われます。 ぜひどうぞ。
また、追悼文集『オマージュ 津田新吾』は、青山ブックセンター本店ブックフェア「本の島」棚にて展示しています。
〔吉増剛造公開工房〕
津田新吾に捧ぐ Special appearance Prof. Ryuta Imafuku
出演 : 鈴木英果、中島浩、吉増剛造
日時 : 7月18日(日)15時頃より
『オマージュ 津田新吾』制作者の鈴木英果氏、吉増作品集を数多く手がけるデザイナーの中島浩氏と共に、ギャラリー内で作品制作を行います。スペシャル・ゲストに文化人類学者の今福龍太氏をお迎えします。
2010年7月9日金曜日
冊子『本の島へ』をご紹介いただきました
「津田新吾の編集本から3冊選んでください」というアンケートを多くの方へ投げかけ、寄せられたご回答を、2冊に分けて製本しました。
寄稿された方々への発送作業が終わり、ここ数日でいくつか感想もいただいてます(イベントに参加された方のご感想も募集中です。右のメールアドレスまでどうぞ!) 。
月曜社の「ウラゲツブログ」では、この冊子のかたち・内容をわかりやすく紹介してくださっています。 ぜひお読みください。
http://urag.exblog.jp/10921198/
翻訳家・高橋啓さんのブログでは、冊子への回答の代わりともいえる、熱のこもった文章が。
http://web.me.com/k.t.trans/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E5%95%93%E3%81%AE%E5%8D%81%E5%8B%9D%E6%97%A5%E8%AA%8C/Blog/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC/2010/7/6_%E3%80%8C%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%B3%B6%E3%81%B8%E3%80%8D.html
月曜社の小林さん、高橋啓さん、ありがとうございます。
2010年7月5日月曜日
青山ブックセンター本店ブックフェア「本の島」の成り立ちから、現在まで/棚担当者が話す
こんにちは。青山ブックセンター本店のt島です。きょうは、「本の島」フェアをはじめたきっかけなどお話いたします。
昨年秋のことです。同店で働く先輩から、「津田新吾さんという編集者が夏に亡くなられて、〈絵葉書を送る会〉(管啓次郎さん・野崎歓さん・堀江敏幸さんが企画)という集まりがあったんですよ。ABCではイベントなどですごくお世話になってきた人で……」という話を聞きました。
それまで、わたしは津田さんのことはまったく知りませんでしたが、家に帰って青土社の本のあとがきを確認すると、すべて津田さんの編集でした。
はじめて買ったのはジョルジュ・ペレックの『エリス島物語』で、書店で装丁にひと目惚れした記憶が鮮明にあります。他の本もすべてジャケ買いしたものでした。そのとき、津田さんの本を集めて棚をつくったらすごい風景になるんじゃないかと思いついたのです。
早速、今福龍太さんと吉増剛造さんのイベントが決まっていることを理由にして、「オマージュ 津田新吾」フェアの企画を立てました。
しかしこの企画がムクムクと大きくなっていくのはその後です。
津田さんが「本の島」という構想を持っていたと知ったときは、驚きました。六本木店でずっと人文書を担当していた先輩が、「群島 - 世界論」をテーマにした棚に「本の島」というタイトルをつけていたのです。
先輩は、津田さんのことを知らなかった。すごい偶然だと思いました。
「じゃ、先輩のブックリストで、「群島」フェア、津田さん棚の横でやっちゃおう」と考えました。「量が多くなって発注も入れ替えも大変だなあ……」と思いつつ、「こういう偶然がやってきたってことは、きっといい棚になるってことだぞ」という、ふしぎな確信が徐々に強まっていきました。
また、時期を同じくして、水声社の営業さんが新刊の案内にやってきました。ジョルジュ・ペレックの『煙滅』。津田さんは、ペレックの著作をふたつ編集しています。前々から(ペレックの在籍した)言語遊戯集団「ウリポ」のフェア棚をつくりたいと考えていた私は、それらのフェアを並べて大きく展開しようと思いつきました。
おまけに、刊行されたばかりの2冊『本は読めないものだから心配するな』、『エクスタシーの湖』(スティーヴ・エリクソン著)が好評だから、著者の管啓次郎さん、訳者の越川芳明さんも呼んでトークイベントをやってしまおう。本も置こう。
そんなたくさんのめぐり合わせで、2010年1月中旬より、
5本の棚で4つの文芸書フェア
1. 「ウリポの言語遊戯」
2. 「オマージュ 津田新吾」
3. 「管啓次郎さん、越川芳明さんの棚」
4. 「群島―世界論 本の島」
という大きな棚をつくりました。
「オマージュ 津田新吾」という追悼文集をスキャンして棚で読めるようにし、4つのフェアがつながるように、それぞれの本がなるべく有機的に並ぶよう、下手ながら工夫しました。
(当時の棚紹介ページはこちら)
http://www.aoyamabc.co.jp/12/12_201001/541_2_3_4.html
この棚に、思いのほかたくさんの方が来てくださいました。勝手に写真を撮って(店内は撮影禁止です!笑)ネット上にUPしてくださった方もいます。棚へのお問い合わせもちびちび受けるようになって……。
やがて、〈「本の島」実行委員会〉なるものが生まれ、もろもろの活動が始まりました。
この棚をつくってよかったのは、津田さんの編集した本だけでなく、ほかの本もたくさん置けたことです。
津田さんの手を離れて世に出た本たちが、本そのものの放つオーラで、べつの本を吸い寄せてゆく。
それを形にして、売り場をつくることができる。
書店として実行できる「本の島」のひとつのかたちが、徐々に見えてきました。
棚スケジュールの都合で一旦畳んだこのフェアが、その名もズバリ「本の島――オマージュ 津田新吾」フェアとしてかたちを変えて蘇ったのが、「〈本の島〉をめぐる対話 トークイベント」を控えた5月上旬のことです。「群島 - 世界論」を軸にして、選書を大幅にアレンジしました。
口コミが広がったのか、たくさんの方に来ていただくようになり、(どなたでも自由に書き込める)ノートを設置、おみやげとしてブックリスト「津田新吾さんのつくった本たち」配布も始めました。
2回のトークイベントを経て、このフェア棚から「オマージュ 津田新吾」の看板をはずしました。ファイル「本の島 案内」も設置。
津田さんの仕事を振り返る時期がひと段落して、これからは「本の島」が未来にむかって帆をひろげます。
送り手と読み手をつなぐ場所「本の島」ブックフェアを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2010年6月21日月曜日
寄せられたご感想(6月19日トークショー会場にて)
「〈本の島〉をめぐる対話vol.2」開催しました!
2010年6月18日金曜日
明日もまた、「本の島」をめぐる対話
明日19日(土)の13時より、表参道の青山ブックセンター本店で、「本の島」をめぐる対話 vol.2が開催されます。当日参加もOKのようです!
2010年6月14日月曜日
twitter をはじめました
2010年6月5日土曜日
本の島をめぐる対話 vol.2 堀江敏幸×前田英樹×冨原眞弓トークイベント
予約受付中!
2010年6月19日(土)13:00~(開場12:30~)
青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
定員:120名様
入場料:700円(税込)
ご予約、お問合せはこちら。
惜しくも昨年逝去した編集者・津田新吾により作り出された本の世界=本の島 について、ゆかりの深い著者たちが語り合うトークイベントの第二弾です。かつて存在した「島々」を巡る言葉と言葉のあわいから、未来へと開かれたあたらしい「島々」の像がぼんやりと浮かび上がる、そんなスリリングな現場にぜひお立ち会いください。
◉プロフィール
堀江敏幸 (ほりえ としゆき) 1964年岐阜県生まれ、作家、フランス文学者。早稲田大学教授。著書に『郊外へ』、『熊の敷石』、『回送電車』、『雪沼とその周辺』、『河岸忘日抄』、『未見坂』、『正弦曲線』など。訳書にエルヴェ・ギベール『赤い帽子の男』『幻のイマージュ』、ジャック・レダ『パリの廃墟』、ジェラール・フランカン『つきへでかけたおんなのこ』、フィリップ・ソレルス『神秘のモーツァルト』などがある。津田新吾の手がけた本は『おぱらばん』(三島由紀夫賞)、『魔法の石板 ジョルジュ・ペロスの方へ』の二冊。
前田英樹 (まえだ ひでき)
1951年大阪府生まれ。立教大学現代心理学部教授。フランス思想、言語論の精緻な読みを基礎として、映画、絵画、文学などから時間や記憶についての考察を続ける。著書に『沈黙するソシュール』、『小津安二郎の家 持続と浸透』、『在るものの魅惑』、『倫理という力』、『独学の精神』など。訳書にフェルディナン・ド・ソシュール『ソシュール講義録注解』、アンリ・ベルクソン『記憶と生』など。津田新吾の手がけた本は『映画=イマージュの秘蹟』、『セザンヌ 画家のメチエ』、『言葉と在るものの声』、甲野善紀との共著『剣の思想』の四冊。
冨原眞弓 (とみはら まゆみ)
1954年兵庫県生まれ。聖心女子大学哲学科教授。専門はシモーヌ・ヴェイユなどフランス哲学・思想であるが、トーヴェ・ヤンソン作品のスウェーデン語からの翻訳や作品研究にも携わる。著書に『シモーヌ・ヴェイユ』、『ムーミンを読む』、『ムーミン谷のひみつ』など。訳書にシモーヌ・ヴェイユ『カイエ 3』、『カイエ 4』、『ヴェイユの言葉』(編訳)、『自由と社会的抑圧』、『根をもつこと』、カリン・ボイエ『カロカイン 国家と密告の自白剤』、『トーベ・ヤンソン・コレクション』全八巻、トーベ・ヤンソン『島暮らしの記録』など。津田新吾の手がけた本は『シモーヌ・ヴェイユ 力の寓話』、『トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界 ムーミントロールの誕生』の二冊。
2010年6月2日水曜日
「本の島」の書棚 編集者・津田新吾の仕事
文芸書・人文書の編集者・津田新吾さんがどのような本を世に送りだしたのか。現時点でわたしたちが把握しているタイトル一覧です。ここにある本の島々から、もっと広い世界へ!
リストにある本の多くは、青山ブックセンター本店で開催中のブックフェア「本の島——オマージュ 津田新吾」のコーナーで実際にご覧いただけます。ぜひ、お店のほうに足をお運び下さい。
***
*津田新吾さんが青土社で編集を手がけられた本
吉増剛造『花火の家の入口で』(1995)
吉増剛造『燃えあがる映画小屋』(2001)
管啓次郎『コヨーテ読書――翻訳・放浪・批評』(2003)
堀江敏幸『おぱらばん』(1998)*第12回三島由紀夫賞受賞
堀江敏幸『魔法の石板――ジョルジュ・ペロスの方へ』(2003)
野崎歓『ジャン・ルノワール 越境する映画』(2001)*第23回サントリー学芸賞受賞
野崎歓『香港映画の街角』(2005)
野崎歓『赤ちゃん教育』(2005)*第22回講談社エッセイ賞受賞
ジャン・ルノワール『ジョルジュ大尉の手帳』野崎歓訳(1996)
ジャン・ルノワール『イギリス人の犯罪』野崎歓訳(1997)
ジャン・ルノワール『ジャン・ルノワール エッセイ集成』野崎歓訳(1999)
前田英樹『映画=イマージュの秘蹟』(1996)
前田英樹『セザンヌ 画家のメチエ』(2000)
甲野善紀・前田英樹『剣の思想』(2001)
前田英樹『言葉と在るものの声』(2007)
冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ 力の寓話』(2000)
冨原眞弓『トーヴェ・ヤンソンとガルムの世界――ムーミントロールの誕生』(2009)
田中純『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(2001)*第24回サントリー学芸賞受賞
田中純『死者たちの都市へ』(2004)
小池寿子『描かれた身体』(2002)
若桑みどり『聖母像の到来』(2008)
*
須賀敦子『時のかけらたち』(1998)
須賀敦子『イタリアの詩人たち』(1998)
多和田葉子『容疑者の夜行列車』(2002)*第14回伊藤整文学賞・第39回谷崎潤一郎賞受賞
多和田葉子『アメリカ――非道の大陸』(2006)
*
アントニオ・タブッキ『夢のなかの夢』和田忠彦訳(1994)
アントニオ・タブッキ『島とクジラと女をめぐる断片』須賀敦子訳(1995)
アントニオ・タブッキ『ベアト・アンジェリコの翼あるもの』古賀弘人訳(1996)
アントニオ・タブッキ『フェルナンド・ペソア最後の三日間』和田忠彦訳(1997)
アントニオ・タブッキ『黒い天使』堤康徳訳(1998)
パスカル・キニャール『アルブキウス』高橋啓訳(1995)
パスカル・キニャール『音楽への憎しみ』高橋啓訳(1997)
パスカル・キニャール『舌の先まで出かかった名前』高橋啓訳(1998)
パスカル・キニャール『辺境の館』高橋啓訳(1999)
パスカル・キニャール『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』高橋啓訳(2000)
パスカル・キニャール『ローマのテラス』高橋啓訳(2001)
パスカル・キニャール『さまよえる影』高橋啓訳(2003)
フェデリーコ・フェッリーニ『魂のジュリエッタ』柱本元彦訳(1994)
G・カブレラ=インファンテ『煙に巻かれて』若島正訳(2006)
*
鹿島茂『子供より古書が大事と思いたい』(1996)*第12回講談社エッセイ賞受賞
鹿島茂『『パサージュ論』熟読玩味』(1996)
ロミ『乳房の神話学』高遠弘美訳(1997)
マヌエル・プイグ『グレタ・ガルボの眼』堤康徳訳(1999)
谷昌親『詩人とボクサー――アルチュール・クラヴァン伝』(2002)
永沢哲『野生の哲学――野口晴哉の生命宇宙』(2001)
アルフォンソ・リンギス『信頼』岩本正恵訳(2006)
川村湊『海を渡った日本語――植民地の「国語」の時間』(1994)
アブデルケビール・ハティビ『マグレブ 複数文化のトポス――ハティビ評論集』澤田直編訳、福田育弘訳(2004)
ジョルジュ・ペレック『エリス島物語――移民たちの彷徨と希望』酒詰治男訳(2000)
ディディエ・デナンクス『カニバル(食人種)』高橋啓訳(2003)
マリオ・リゴーニ・ステルン『テンレの物語』飯田煕男訳(1998)
アレッサンドロ・G・ジェレヴィーニ『ファザーランド』(2005)
ウーク・チャング『キムチ』岩津航訳(2007)
マルタン・パージュ『僕はどうやってバカになったか』大野朗子訳(2003)
ドミニク・ノゲーズ『人生を完全にダメにするための11のレッスン』高遠弘美訳、青土社(2005)
『入澤康夫〈詩〉集成』上・下(1996)*第39回毎日芸術賞受賞
キース・ヴィンセント+風間孝+河口和也『ゲイ・スタディーズ』(1997)
タイモン・スクリーチ『江戸の思考空間』村山和裕訳(1998)
上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』(1998)
アルデン・T・ヴォーン+ヴァージニア・メーソン・ヴォーン『キャリバンの文化史』本橋哲也訳(1999)
ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル――フェミニズムとアイデンティティの攪乱』竹村和子訳(1999)
ジュディス・バトラー『アンティゴネーの主張――問い直される親族関係』竹村和子訳(2002)
ピエール・クロソウスキー『生きた貨幣』兼子正勝訳(2000)
浅田彰『20世紀文化の臨界』(2000)
多田智満子『動物の宇宙誌』(2000)
丸川哲史『台湾、ポストコロニアルの身体』(2000)
丸川哲史『帝国の亡霊――日本文学の精神地図』(2004)
末延芳晴『荷風とニューヨーク』青土社(2002)
陣野俊史『フットボール都市論――スタジアムの文化闘争』(2002)
四方田犬彦『アジア映画の大衆的想像力』(2003)
東ゆみこ『クソマルの神話学』(2003)
末延芳晴『夏目金之助 ロンドンに狂せり』(2004)
平野嘉彦『マゾッホという思想』(2004)
永渕康之『バリ・宗教・国家――ヒンドゥーの制度化をたどる』(2007)
デイヴィッド・ライアン『監視社会』河村一郎訳、青土社(2002)
*
叢書*西洋中世綺譚集成
ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』池上俊一訳(1997)
クードレット『メリュジーヌ物語――母と開拓者としてのメリュジーヌ』松村剛訳(1996)
ギラルドゥス・カンブレンシス『アイルランド地誌』有光秀行訳(1996)
*
シリーズ現代思想ガイドブック
B・アシュクロフト + P・アルワリア『エドワード・サイード』大橋洋一訳(2005)
S・モートン『ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク』本橋哲也訳(2005)
S・サリー『ジュディス・バトラー』竹村和子他訳(2005)
T・マイヤーズ『スラヴォイ・ジジェク』村山敏勝他訳(2005)
J・プロクター『スチュアート・ホール』小笠原博毅訳(2006)
C・コールブロック『ジル・ドゥルーズ』國分功一郎訳(2006)
R・J・レイン『ジャン・ボードリヤール』塚原史訳(2006)
G・アレン『ロラン・バルト』原宏之訳(2006)
T・クラーク『マルティン・ハイデガー』高田珠樹訳(2006)
S・ミルズ『ミシェル・フーコー』酒井隆史訳(2006)
L・スピンクス『フリードリヒ・ニーチェ』大貫敦子・三島憲一訳(2006)
N・ロイル『ジャック・デリダ』田崎英明訳(2006)
*書肆風の薔薇/水声社で手がけられた本
クラウディオ・マグリス『オーストリア文学とハプスブルク神話』鈴木隆雄・藤井忠・村山雅人訳(1990)
アレホ・カルペンティエル『光の世紀』杉浦勉訳(1990)
フアン・ルルフォ『燃える平原』杉山晃訳(1990)
ウェイン・C・ブース『フィクションの修辞学』米本弘一他訳(1991)
ジェラール・ジュネット『ミモロジック――言語的模倣論またはクラテュロスのもとへの旅』花輪光監訳(1991)
ジェラール・ジュネット『フィギュールⅠ』花輪光訳(1991)
安原顯『カルチャー・スクラップ』(1992)
ジョルジュ・ペレック『人生 使用法』酒詰治男訳(1992)